オリジナル AI アートに関するブログです.AIアートをつくるときは通常,英語でこまかい記述をプロンプト (呪文) としてあたえますが,そうせずに,みじかい造語や絵文字だけをつかって,AI に自由にアートをつくらせています.
Stable Diffusion XL では,ある種の負のプロンプトによって,描かれる画像の色彩が貧弱になります. 黄色や緑の部分がほとんどなくなって,ほとんど赤と青ばかりになります. たとえば正のプロンプトとして製作者のなまえ (Yasusi Kanada) をつかったとき,アルチンボルド (Arcimboldo) を負のプロンプトとすると,このような現象がおこります. その例をあげます.
黄色や緑がはいっていても,色の印象はあまりよくありません.
このような「色落ち」がおこるのは,アルチンボルドを正のプロンプトとして指定して描かせた絵の色を, それを負のプロンプトとして指定したときに避けようとするからではないかとかんがえられます. それなら,アルチンボルドとともに色を消すことばを負のプロンプトとしてあたえれば, このような現象をさけることができるのではないかとかんがえました. そこで,“monochrome” を指定してみました. これで色はかなり改善させるようです. ただし,“monochrome” によって図柄も変化するようにみえます.
そこで,“monochrome” のかわりに “gray”,“grayscale”,“grayish” などをつかってみることにしました.ここでは “grayscale” をためしてみます.
色の改善も図柄も “monochrome” を指定した場合にちかいようです. 正のプロンプトをかえれば “monochrome” や “grayscale” の効果もかわってきます. これらの語の効果が適切でなければ,色に関する他のことばをためすことができます. たとえば,正のプロンプトが “Klee”,負のプロンプトが “Mondrian” の場合には “red” を指定するのが有効でした. つぎはその例です. まず負のプロンプトが “Mondrian” だけの場合です.
赤い部分が非常に多いことがわかります.そこで,“red” を指定した場合を示します.
多くの絵で色が多様化しています. ただし,赤い部分はほとんどなくなっています.