オリジナル AI アートに関するブログです．AIアートをつくるときは通常，英語でこまかい記述をプロンプト (呪文) としてあたえますが，そうせずに，みじかい造語や絵文字だけをつかって，AI に自由にアートをつくらせています．

AI に描かせた “点描画” の後処理で悪戦苦闘

Stable Diffusion 2.1 に “impressionism” (印象派) とか “Seura” (スーラ) とかをプロンプトとしてあたえると，点描画風の画像がえられます． これを拡大してもきれいにみえないので，できるだけきれいにみえるように悪戦苦闘しました． つまり，画像加工のためのサイトを利用したり，画像を点描でかきなおすプログラムをためしたりしました．

サイズが 512〜1000 ドット程度しかないので，点描画風の画像も実際は点描されている (ちいさな同色の領域にわかれている) わけではありません． こまかい点描画を正確に再現あるいは表現するには，現在の AI アート・プログラムの解像度はひくすぎます．

AI 画像は解像度がひくいので「超解像」という方法で解像度を拡大していますが， こういう点描画風の画像はなかなかうまく拡大ですません． 画像をつくるのに OpenArt.ai というサイトを利用していますが，そこで用意されている拡大の方法を適用すると， 広い範囲にわたって点がつなげられて，まったくちがう画像になってしまいます． たとえば “neo-impressionism” (新印象主義) を指定して描かせたつぎの左の画像を拡大すると右のようになります．

右の画像はもとの画像とはまったくちがいますが，もとの画像は荒すぎてあまりきれいだとはおもえません． もとが点描画であることをわすれると，右のほうがおもしろいようにおもいます． そこで，このサイトでは新印象主義を指定して描かせたいくつかの画像を 2 種類の方法で拡大して，両方をのせています． つぎの画像はその一例です．

点描をいかそうとした左の画像はあまりきれいでないようにおもいますが，これは点描の点 (領域) が荒すぎるからだとかんがえられます．もとの画像が荒すぎると，後処理できれいにするのは困難です．

画像を点描で描きなおす AKVIS Points というプログラムも販売されているので，それもためしてみました． このプログラムは入力された画像の各部分の色にもとづいてきめたドットをぬりかさねていきます． ドットの密度がちがういくつかの画像のなかから，よいものを選択することができます． ドットのサイズや色の濃さなどは調整できます． AI が荒すぎる画像をつくったときはどうやってもうまくいきませんが，ある程度こまかい画像に関しては この方法でうまくいくようにおもいます．

もっともうまくいったとおもわれるのが，つぎのスーラ風の絵です． 左は通常の方法で拡大した画像，右はそれを AKVIS Points で書きなおした画像です． 右の画像のほうが点がこまかくなっているようにみえます． ここに表示されたままでもある程度は差がわかりますが，右クリックで拡大して比較してみてください． 拡大した画像のサイズは 3072 ですが，それをサイズ 10 のドットで描きなおしています． ドットのあいだにはまだ白い部分がのこっていますが，そのほうがきれいにみえるようにおもいます． 白い部分がなくなるまでドットをかさねていくと，もとの絵とあまりかわらなくなってしまいます．

つぎの図はドット密度がことなる 6 枚の画像ですが，ドットをぬりかさねる過程を追っています． ドットのあいだに白い部分がのこっているため白っぽくみえますが，上の画像では色を濃くして， もとの画像にあわせるようにしています．