オリジナル AI アートに関するブログです.AIアートをつくるときは通常,英語でこまかい記述をプロンプト (呪文) としてあたえますが,そうせずに,みじかい造語や絵文字だけをつかって,AI に自由にアートをつくらせています.
このサイトの AI アート画像のおおくはコントラストや明るさの調整が必要でした. そうしないと何が描いてあるのかわからないことさえあります. これまでは手動で調整していましたが,それを自動で最適化するプログラムを開発しました.
AI アート画像をつくるのに OpenArt.ai とか NightCafe.studio というサイトをつかっていますが,どちらでも画像を公開するときにはつくった画像を無修正で公開するようになっています. しかし,すくなくとも私がつくる AI 画像のおおくは灰色っぽくて,きれいだとはいえません. また,AI 画像に何が描いてあるのかよくわからない場合もあります. そういう画像の例をいくつかあげます.
Stable Diffusion 1.5 が描いたこれらの画像はコントラストがひくいため,きれいにみえず,また描いてあるものがよくわからないのです. (Stable Diffusion 2.1 では比較的コントラストがつよくなるため,このような問題はおこりにくくなっています.) コントラストがひくい画像を編集してみやすくする方法についてはすでに「AI 画像の編集」というブログ記事に書きました. その内容はくりかえしませんが,コントラストをあげるのにガンマ値を変えるのがミソです.
修正の方法は数ヶ月まえに,ほぼ確立しました.最初は画像 1 枚ずつ手で編集していましたが,すべての画像をすべて手動で編集するのは時間がかかりすぎるようにおもいました. そのため,プログラムで自動的に画像を変換するようにしました. コントラストがひくい画像は通常は 0 から 255 までつかえる画素値の両端 (つまり 0 付近と 255 付近) がほとんどつかわれていません. そこで,つかわれている範囲や暗い点の数,明るい点の数などをもとにガンマ値をきめ,1 をこえる定数を画素値にかけるという変換をするプログラムを開発しました. そして,ガンマ値の決定法や定数の値は経験的にきめました.
この方法でおおくの画像のコントラストと明るさはほぼ適切になります.しかし,画像によってはコントラストがよわすぎたり, つよすぎたりすることがあります.また,自動編集だけでは画像が十分に魅力的でないようにみえることもあります. そこで,自動では最適にならない場合に最後は手動で画像を編集する必要があります. しかし,その場合でもあらかじめこのような自動変換をしておくことで,編集が楽になりました. 上の画像をこのプログラムで処理した結果をしめします. この場合にはやや,やりすぎているようにおもいますが,改善されているのがわかるとおもいます.
自動で最適にならない理由は 2 つあります.
第 1 は,編集のしかたが (私が) 絵をみた印象に依存すること,つまり私の主観に依存していることです. 私の印象は事前にプログラムにおしえることはできません.
第 2 は,編集のしかたがプロンプトに依存することです.プロンプトに依存する例としては,“nigh” のようなプロンプトで夜景を描かせたときに明るい絵を手動で暗くしてしまうことがあげられます. プログラムに英語の知識をいれるつもりはないので,これもあとで編集する必要があります.
プログラムでは画像の情報があまり落ちないようにしていますが,手動で編集する際にはかなり大胆に明るくして, 明るい部分のなかでの明るさの差をなくしてしまう (画素値を 255 にしてしまう) こともあります. しかし,通常は過度の編集をしないように注意しています. たとえば,画素値が 255 になる範囲をおさえるようにしています.