オリジナル AI アートに関するブログです.AIアートをつくるときは通常,英語でこまかい記述をプロンプト (呪文) としてあたえますが,そうせずに,みじかい造語や絵文字だけをつかって,AI に自由にアートをつくらせています.
クレー (Klee) やカナブストラクド (Kanabstracd) を正のプロンプトにすると,モンドリアン (Mondrian) を負のプロンプトとすることによって図柄がおおきく変化します. 最初に気づいたのは Stable Diffusion 2.1 で “Klee” のくみあわせをためしたときですが,その後,Stable Diffusion XL でも,また正のプロンプトとしてほかのものを指定しても 図柄が劇的に変化してシュールで印象的になる場合があることがわかりました.
最初にこの現象に気づいたのは,画家クレーのなまえ (Klee) を正のプロンプトに指定して,あれこれ負のプロンプトをためしていたときです. “Mondrian” を指定すると絵がおおきく変化することがわかりました.つぎの絵はその一部です.
これらの絵は “Klee” だけを指定した場合とはまったくちがっています.
カンディンスキー (Kandinsky) でも負のプロンプトに “Mondrian” を指定すると絵は劇的に変化します.
正のプロンプトによっては,おなじように “Mondrian” を指定しても,あまりかわらない場合もあります. たとえばピカソ (Picasso) の場合にはあまり劇的な変化はみられません.
製作者のなまえやペンネームを正のプロンプトにした場合でも,差があります. 正のプロンプトが “Kanabstracd” のときには劇的な変化があります.
一方,ペンネーム “Kanadansky” をつかうと,あまり変化がありません.
なまえ (Yasusi Kanada) をそのままあたえた場合はもうすこし影響をうけているようですが, それほどおおきな変化はありません.
“Mondrian” の先頭文字などを変えた造語をあたえても,図柄におおきな変化はないことがわかりました. つまり,それを負のプロンプトとしてあたえることで “Kanabstracd” などの場合に図柄がおおきく変化することにかわりはないということです. “Kanabstracd” の場合の例をあげます. それぞれ,負のプロンプトとして “tondrian”,“Bondrian”,“Fondrian”,“monochromezoomedondrian” をつかっています.
なぜ図柄が変化したりしなかったりするのでしょうか? 正のプロンプトから生成される画像と,負のプロンプトに指定したことばを正のプロンプトに指定したときに生成される画像とが似ていると, それを指定するかしないかでおおきな変化がおこるのだとかんがえられます. つまり,正のプロンプトがモンドリアン・パターンに似た画像を生成するかそうでないかによるとかんがえられます.
“Mondrian” やそれをすこし変えたつづりを正のプロンプトに指定すると,ほとんどいわゆるモンドリアン・パターンが生成されます. つぎの画像がその例です.
影響がおおきい “Klee” は高頻度で “Mondrian” と同様の格子模様を生成します.そのため,モンドリアン・パターンを禁止するとまったくことなる図柄になるのだとかんがえられます. “Kandinsky” や “Kanabstracd” がおおきく変容するのも,それらがほとんど抽象画を生成することに関係しているとかんがえられます. ただし,それらを正のプロンプトだけに指定したときにうみだされる抽象画の大半は格子柄ではありません. それにしては影響がおおきいので,これだけでは十分な説明にならないとかんがえられますが,それ以上のことはわかっていません.