E メイル添付わすれ対策
E メイルになにかを添付しようとしているのに,添付しわすれたまま送信してしまうということは私もよくやっている. Dredze ら [Dre 06] はこういうことがおこらないように,メッセージの内容を解析して添付物があるかどうかを自動的に判断して,送信直前またはメッセージを書いているときに警告するしくみを実現している. たしかにメッセージを解析すればかなり確実に添付すべきものがあるかどうかわかるとはおもうが,とはいっても,ほんとうにこれがただしい解決法なのだろうか?
E メイルになにかを添付しようとしているのに,添付しわすれたまま送信してしまうということは私もよくやっている. Dredze ら [Dre 06] はこういうことがおこらないように,メッセージの内容を解析して添付物があるかどうかを自動的に判断して,送信直前またはメッセージを書いているときに警告するしくみを実現している. たしかにメッセージを解析すればかなり確実に添付すべきものがあるかどうかわかるとはおもうが,とはいっても,ほんとうにこれがただしい解決法なのだろうか?
Whittaker ら [Whi 96] が "email overload" について書いてからすでに 10 年になる [Fis 06]. "Email overload" とは,E メイルが単に他者との非同期的なテキスト・メッセージの交換につかわれるだけでなく,仕事 (task) の管理や個人的な情報の蓄積・ファイリングなどのさまざまな目的につかわれることをいう. この論文はかなりのインパクトをあたえたようにみえる. しかし,それにもかかわらず,それがでてからもメイル・システムやそのユーザインタフェースがあまり変化していない. また,それ以降おこなわれてきた研究もそれらを本質的に改革するものになっていないようにおもわれる.
Gwizdka ら [Gwi 04] はワーキングメモリ (WM) や視覚的なメモリ (VM) などに能力のひくいユーザをたすけるインタフェースによって,能力のひくいユーザの作業効率を大幅に改善することができること,また能力のたかいユーザの作業効率が多少低下することはあるとしても,それはかぎられていることをしめしている. この結果は示唆的である.
Email の研究において,workflow または flow ということばがつかわれる [Siu 06] [Ven 01]. 通常 workflow といえば複数のひとにまたがる仕事のながれを意味しているが,この文脈においては,ひとりのひとの作業のながれを意味しているようである. これは,Email の研究において個人をまたがる作業の最適化がめざされてこなかったことを意味しているとかんがえられる.