ひとつのメイル・ワークフローにかかわるメンバー (ひと) のメイル環境は完全にはあわせられないとかんがえるべきである. これは,メイル・クライアントについても,サーバやプロキシについても,いえることである. メイル・ワークフローはこうしたヘテロジニアスな環境のもとでも,ただしく動作しなければならない.
メンバーはことなる PC をつかい,ことなるメイル・サーバをつかっているかもしれない.
- メンバーの趣味がちがえばメイル・クライアントやその設定をあわせることはできないだろう.
- また,メイル・サーバの管理者がちがえば,その機能をあわせることもできないだろう.
メイル・ワークフローにおいてはメイル・クライアントとメイル・サーバとのあいだにメイル・プロキシが存在するべきだが,それについても,
- メイル・プロキシをつかうことを強制するのは困難であり,
- メイル・プロキシをサーバ上におくかクライアント PC 上におくかも,環境に依存するので,どちらかに統一することはできないだろう.
メイル・プロキシがつかえるかぎりにおいては,メイル・ワークフローの機能をただしく実現させることができる. しかし,プロキシがつかえないときには,メイル・ワークフロー機能を指示するアドレスだけでなく,ユーザがメッセージ上で指定したすべての宛先に直接メイルがおくられてしまう. したがって,ユーザは不要なメイルをみることになる. 不要なメイルを無視しさえすればただしい操作が可能になるが,どのメイルが不要なのかをみわけるのは,かならずしも容易でないとかんがえられる. できればこのような不要なメイルがおくられないようにすることがのぞましいが,それはプロキシのない環境においては困難である.