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多重帰属からくる課題

ひとりのひとが,すくなくともひとつの組織のメイルと個人のメイルとを管理する. 複数の組織に同時に属しているひともいて,そういうひとの数は今後さらに増加するとかんがえられる. 個人のメイルも 1 人だけの組織あるいは家族という組織へのメイルとかんがえれば,いずれも組織への多重帰属の問題だととらえることができる. こういう多重帰属がある状況のもとでメイル・システムやメイル・ワークフローがどうあるべきか,検討しておく必要がある.

組織と個人の 2 種類だけという単純な場合は,2 つのメイル・システムを独立に運用すればよいとかんがらえれる. 実際,現在はほとんどのひとがそういう管理をしているとかんがえられる. しかし,より複雑な多重帰属まであつかえるようにするには,それらのうちのいずれかの組織に属するサーバによってメイルやワークフローを管理する方法はとれないとかんがえられる.

このようなばあいをあつかうための方法は 2 つある.

第 1 の方法は,第 3 者 (組織) にメイル・システムやワークフロー・システムをアウトソースするという方法である. これはもっとも単純な方法だといえる. つまり,Gmail のような方法である. しかし,このような方法はよほどアウトソース先がだれからも信頼されるようになっていなければならない. 現在は Google でもそのレベルには達していないとかんがえられる. しかし,この方法においてはセキュリティ管理は基本的にサーバ側でおこなうことができる. そのため,比較的,信頼性はたかいとかんがえられる. ただし,クライアントにもメイルのコピーがおかれることなるので,そこで漏洩が発生する危険はある.

第 2 の方法は,各組織が独自にシステムを管理する方法である. 組織のなかにはその組織内で管理するものもあるが,アウトソースするものがあってもよい. すべての組織がおなじアウトソース先を選択すれば,第 1 の方法とおなじになる. この方法においては組織間のセキュリティ管理をクライアント側でおこなう必要があり,信頼性のたかいクライアントが必要である. また,ユーザの誤操作によって漏洩が発生する危険も第 1 の方法よりたかいとかんがえられる.

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2008-05-10 23:53 に投稿されたエントリーのページです.

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