宛先によって機能を指定する際に,パラメタをわたしたいことがある. たとえば添付ファイル名のチェックにおいてはファイル名やプレフィクス,ポストフィクスなどをパラメタとしてわたしたい. こういうときのために,メイルアドレスを機能とパラメタとに分解するしくみをそなえておくのがよいとかんがえられる.
パラメタを指定するのにつぎの 3 つの方法がかんがえられる.
- 機能指定アドレスの一部 ('@' の直前) を使用する方法
- 機能を指定するアドレスの末尾にパラメタをあらわす文字列を付加する. 複数のパラメタがあれば,それらをくぎって付加する. ただし,ドメイン名の部分は変更しない.
- 表示名をつかう方法
- 表示名の末尾にパラメタをあらわす文字列を付加する. 複数のパラメタがあれば,それらをくぎって付加する.
- 機能指定とはことなる宛先を使用する方法
- 機能を指定するアドレスとはべつに,“to” や “cc” によって指定する. QuickML の方法がこれにあたる.
表示名はひとがよみやすいように自由度をたかくしておく必要があるので,さけたほうがよいとかんがえられる. しかし,メイルアドレスそのものより表示名のほうが自由な構文がつかえるという利点がある. 引数として漢字をわたすことをかんがえれば,表示名の末尾を使用するのがよいとかんがえられる. ここでは目的によって両方をつかいわけることができる仕様をかんがえる.
機能を指定するアドレスの一部を引数とする案においてドメイン名を除外しているのは,ドメイン名をこのような目的で使用するのは適切でないとかんがえられるからである.
機能指定とはことなるアドレスのかたちでパラメタを指定する方法は,どれがパラメタであるのかがわかりにくいのが欠点である. また,パラメタに順序がつけにくいことからくるあいまいさもある.
メイルアドレスや表示名のなかに機能とパラメタの両方をいれるためには,それらをくぎるくぎり記号が必要である. くぎり文字は silent なほうがよいので,アドレスの一部であれば '-' か '_' をつかうのがよいとかんがえられるが,とりあえず '_' をつかうことにする. パラメタじたいが '_' をふくむときは,ふたつかさねる ('__') ことによってくぎり文字でないことをあらわすようにすることもできる. 表示名の一部とするときは,'(', ',', ')' などの文字をつかうことができる.
たとえば,添付すべきファイルのなまえが “toAttach.doc” であれば,アドレスを attach-name_toAttach.doc@<domain> とすればよい. 添付すべきファイルが “添付.doc” であれば,表示名を “添付:名称("toAttach.doc")” とすればよい (アドレスは attach-name@<domain>).