ワークフローにおいては個々のトランザクションを識別する必要があるが,メイル・ワークフローにおいてその識別子としてなにを使用するかをきめる必要がある.
トランザクション ID の候補はつぎのとおりである.
- トランザクションを起動したメイルのメッセージ ID を使用する.
- 拡張ヘッダにおいてトランザクション ID を指定する.
- メイルの subject や本文の一部にトランザクション ID を指定する.
これらの方法について検討する.
- 最初のメイルにつけられたメッセージ ID は応答をくりかえしても通常は references ヘッダのなかにのこされる. しかし,応答メッセージのつくりかたによっては,それがふくまれない可能性がある.
- 拡張ヘッダを使用する方法は,メイルに応答する際にメイル・クライアントがそれを削除する可能性がたかいので採用困難である.
- Subject や本文の一部にトランザクション ID を記述すると,ユーザがあやまってけしてしまう可能性がある.
いずれのばあいも,通常は,メイル・プロキシがメッセージをうけとったときにそのなかにトランザクション ID がふくまれていなければ,エラー・メッセージをかえすことができる. (ただし,トランザクション ID がないメイルをワークフローを起動するメイルと誤認することがないように,ワークフローを設計する必要がある.)
上記の方法のなかでメッセージ ID を使用する方法が比較的,確実性もあり,ユーザの負担もすくないとかんがえられる.