Whittaker [Whi 96] らの論文がでて以来,メイルの用途のひとつとして "ファイリング" があることが周知されている. 私自身も,他人からおくられてきた添付ファイルつきのメイルをファイリングのために保存しておいたり,情報をファイリングするために書類を添付したメイルを自分あてにおくったり,覚え書きをメイルの本文として自分あてにおくったりすることがある. PC の本来のファイル・システムとメイルによるファイリングのシステムとが 2 重化されていることによる問題点も指摘されている [x]. しかし,私自身,2 重化されているために生じる利点を享受してもいる.
私は,基本的には,メイルに添付されてきた書類は PC のファイルシステムのなかにとりこんでいる. したがって,書類をさがすときには,まずこのシステムにしたがって検索する. Windows XP (まだ Vista ではない!) の検索エンジンや Google Desktop などをつかうこともあるが,これらはキーワードがおもいつかないとつかえない. それに対してメイルはキーワードをわすれてしまっても,(ドキュメントにはかかれていない) 送信者のなまえやメイルアドレスやメイルにかかれたその他の情報をもとにして検索することができる. また,受信するメイルは多数あるが送信したメイルの数は比較的すくないので,送信ずみトレイは日時の範囲をかぎれば全件検索することができる. この目的ではコピーが存在する必要はなくてインデクスだけが 2 重化されていればよいはずではあるが,コピーされていてもそれほど問題はない.
また,ファイル・システムにいれたファイルをこわしてしまったために,もう一度もとのメイルからとりだすばあいもある. つまり,バックアップとして使用することができる. このばあいはコピーされていることが本質的である.
参考文献
- [Whi 96] Whittaker, S. and Sidner, C., “Email Overload: Exploring Personal Information Management of Email”, CHI '96, 1996.
- [x]